Movie For Life | DJI・GoPro・一眼で動画編集の楽しさを伝えるブログ

脱サラ動画クリエイター松本敦がお送りする「レンズの向こう側にあるワクワク」を届けるブログ

創造性の刺激を忘れかけている人にお薦めする一冊『ヒルマン・カーティス:ウェブ時代のショートムービー」

   

ヒルマンカーティス

トークイベントで自己紹介の代わりに「おすすめの一冊」をセレクト

 

前回のブログで書きました
立川創造舎でのトークイベントで
自己紹介として「おすすめの一冊」を
ピックアップすることになりました。

ぶっちゃけ普段あまり本を
読むタイプではなく、
強いて言えば雑誌「ビデオSALON」

(今月号、OSMO記事書いてます。すいません宣伝です)

そんな感じなのですが、本棚を
見てみると大事に取ってある本が
一冊ありました。

それが今回する一冊

『ヒルマン・カーティス:ウェブ時代のショートムービー』


今回紹介するにあたり、久しぶりに読み返して
みたら、改めて自分に大きな影響を与えていたことに気づいた。

トークイベントでは語りきれないほどの
思いがこみ上げてきたので改めて記事に
まとめてみようと思います。

 

この本は技術本ではなく、一人の人間が「創造性の喜び」を取り戻す「復活の物語」だ。

本が発刊されたのが2006年。

Youtubeがまだ産声をあげた頃の話で
機材のことも書いてあるが、メディアは
まだSDカードもなく、ミニDVDなどを
中心とした時代背景。

そして僕がこの本に出会ったのは2008年。

僕はまだサラリーマンで、映像と言えば
家庭用のホームビデオカメラで、遊びの
映像を作っていた頃だった。

Youtubeに第一弾の「黒歴史動画」を
アップした頃だったと思う。

とはいえ、この頃は別に会社員を辞めるつもりもなく
WEB上で、自分の動画が知らない人に伝わっていくことが
単純に面白かったくらいのレベルだった。
そんな時に何気なく本屋さんで見かけた
(当時の自分にとってのキャッチーなタイトル)

「ウェブ時代のショートムービー」
まさにぴったりじゃないですか!
(当時作っていた映像はさておき)

 

おそらく自分としては「テクニカル」な
内容を期待していたんですが、全く違いました。

(結果的に良かったんですが)

 

苦悩する一人のクリエイター「ヒルマン・カーティス」の葛藤

著者、ヒルマン・カーティスは映像クリエイターではなく
ウェブデザイナーだった。

肩書きなどを見るとビッグクライアントが
並んでいるのでおそらくすごい人なんですが
マンネリ化する業務に生き甲斐などを
見失いつつあった。

そこで出会ったのが「映像制作」だった。

最初は自分の創作活動のリハビリとして
初めたプロジェクトが次第に
楽しくなり、ミュージックビデオ、
インタビュー映像、ショートムービーと
作り続けるうちに次第に自分の中に
眠っていた「創造性」が活発になっていく
ことに気づく。

失敗談の連続から学んでいくヒルマン・カーティス

この本の一番面白いところが、
ヒルマン、めちゃ失敗が多いところ。

インタビュー素材なのに工事現場の
側で撮影して後から気づいてしまったり
ミュージックビデオのアーティストの
意向を無視して、全くコンセプトの
違う映像を作ってしまったりと
全編にわたって、挑戦しては
失敗の連続がありながらも
その失敗を乗り越えて「次には何をしようか」
という前向きな姿勢に勇気をもらう。

 

「あ、これでいいんだ!」

今思い返すとこれが僕が動画を
続けるきっかけになっていたと思います。
日本ってついつい「間違えないこと」を
美徳としてしまう風潮がある。

何かを習得するにはまず正しい知識
(もちろん必要ですが)を学んでから
実践に移すことの方が多いけれど、
実は身になるのは「一度失敗してから」
正しいことを理解する方が身につく
ことが多いように思える。

もちろん仕事では失敗はいけないんだけど
「失敗しないように」なんて毎回思っていたら
どんどん萎縮してしまってそのうち
何もできなくなってしまう。

時には大胆に三振しても
バットを振り続けるからこそ
ホームランはある。
2008年に読んで久しぶりに読んだから
中身もすっかり忘れた状態で
6年ぶりに読み返したわけでしたが
こういう(自分にとって)大切な
ことって意外と覚えているもんだと
思いました。

 

随所にちりばめられる「珠玉の名言」

6年前の自分が本に折り目をつけていたところが
あって、読み返してみると今でも突き刺さる
言葉が溢れていた。

 

クリエィティブな人間にとって、「まだまだ自分には自分自身を驚かせることができるのだ」ということを確認できる瞬間ほど最高なときはない

素晴らしい。そんな風に年を取りたい。

 

良い方向に向かうかもしれないという可能性だけが、僕がすがっている唯一の燃料なんだ。君は確か「喜び」がエンジンだって言っていたね。僕は「希望」が燃料だと思う。

もはや映画のセリフでしょ。

 

もともと英語の本を訳したので、
こういった小粋なセリフみたいな
名言が随所に散りばめられてます。
突き刺さる言葉は人によって変わると
思います。

その時の自分の置かれている状況、
苦悩している問題によってまた
変わってくるので是非自分の目で
お探しいただければと思います。

 

 

その質問に答える旅に出る

この本を読んでから四年後に僕は
14年勤めた会社を辞めて独立した。

会社を辞める時にはすっかり
この本の存在を忘れていたけれど
もしかすると本当の理由は
「自分にはもっと自分自身を驚かせることができるかもしれない」
という質問を自分に繰り返して
問い続けた答えだったのかもしれない。
その質問はこれからもずっと続くだろうし
時にはマンネリに陥る時があるかもしれない。

その時はもう一度この本を読み返して
原点に立ち返ろうと思う。

 

 - 動画制作おすすめ本, 松本、会社辞めるってよ ,